で女のような感じを宗助に与えた。宗助は心のうちに、この青年がどういう機縁の元《もと》に、思い切って頭を剃《そ》ったものだろうかと考えて、その様子のしとやかなところを、何となく憐《あわ》れに思った。
「大変御静なようですが、今日はどなたも御留守なんですか」
「いえ、今日に限らず、いつも私一人です。だから用のあるときは構わず明け放しにして出ます。今もちょっと下まで行って用を足して参りました。それがためせっかくおいでのところを失礼致しました」
 宜道はこの時改めて遠来の人に対して自分の不在を詫《わ》びた。この大きな庵を、たった一人で預かっているさえ、相応に骨が折れるのに、その上に厄介《やっかい》が増したらさぞ迷惑だろうと、宗助は少し気の毒な色をほかに動かした。すると宜道は、
「いえ、ちっとも御遠慮には及びません。道のためでございますから」とゆかしい事を云った。そうして、目下自分の所に、宗助のほかに、まだ一人世話になっている居士《こじ》のある旨《むね》を告げた。この居士は山へ来てもう二年になるとかいう話であった。宗助はそれから二三日して、始めてこの居士を見たが、彼は剽軽《ひょうきん》な羅漢《ら
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