新らしい言葉の説明を聞いて帰ったのである。
 山門を入ると、左右には大きな杉があって、高く空を遮《さえぎ》っているために、路が急に暗くなった。その陰気な空気に触れた時、宗助は世の中と寺の中との区別を急に覚《さと》った。静かな境内《けいだい》の入口に立った彼は、始めて風邪《ふうじゃ》を意識する場合に似た一種の悪寒《さむけ》を催した。
 彼はまず真直《まっすぐ》に歩るき出した。左右にも行手《いくて》にも、堂のようなものや、院のようなものがちょいちょい見えた。けれども人の出入《でいり》はいっさいなかった。ことごとく寂寞《せきばく》として錆《さ》び果《は》てていた。宗助はどこへ行って、宜道《ぎどう》のいる所を教えて貰おうかと考えながら、誰も通らない路の真中に立って四方を見回《みまわ》した。
 山の裾《すそ》を切り開いて、一二丁奥へ上《のぼ》るように建てた寺だと見えて、後《うしろ》の方は樹《き》の色で高く塞《ふさ》がっていた。路の左右も山続《やまつづき》か丘続の地勢に制せられて、けっして平ではないようであった。その小高い所々に、下から石段を畳んで、寺らしい門を高く構えたのが二三軒目に着いた。平地
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