の座敷は津田の前に当った。両方の中間に自分を見出《みいだ》した彼はようやく首肯《うなず》いた。
「するとちょうど真中辺《まんなかへん》だね、ここは」
真中でも室が少し折れ込んでいるので、両方の通路にはなっていなかった。
「その奥さんとあの二人のお客とは友達なのかい」
「ええ御懇意です」
「元から?」
「さあどうですか、そこはよく存じませんが、――おおかたここへいらしってからお知合におなんなすったんでしょう。始終《しじゅう》行ったり来たりしていらっしゃいます、両方ともお閑《ひま》なもんですから。昨日《きのう》も公園へいっしょにお出かけでした」
津田は問題を取り逃がさないようにした。
「その奥さんはなぜ一人でいるんだね」
「少し身体《からだ》がお悪いんです」
「旦那《だんな》さんは」
「いらっしゃる時は旦那さまもごいっしょでしたが、すぐお帰りになりました」
「置《お》いてきぼりか、そりゃひどいな。それっきり来ないのかい」
「何でも近いうちにまたいらっしゃるとかいう事でしたが、どうなりましたか」
「退屈だろうね、奥さんは」
「ちと話しに行って、お上げになったらいかがです」
「話しに行って
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