廻《まわ》り合《あわ》せのように解釈されるだけであった。その必然性を認めるために、過去の因果《いんが》を迹付《あとづ》けて見ようという気さえ起らなかった。この心理状態をもっと砕けた言葉で云い直すと、事件の責任は全く自分にないという事に過ぎなかった。すべてお秀が背負《しょ》って立たなければならないという意味であった。したがってお延の心は存外平静であった。少くとも、良心に対して疚《や》ましい点は容易に見出《みい》だされなかった。
この会見からお延の得た収獲は二つあった。一つは事後に起る不愉快さであった。その不愉快さのうちには、お秀を通して今後自分達の上に持《も》ち来《きた》されそうに見える葛藤《かっとう》さえ織り込まれていた。彼女は充分それを切り抜けて行く覚悟をもっていた。ただしそれには、津田が飽《あ》くまで自分の肩を持ってくれなければ駄目だという条件が附帯していた。そこへ行くと彼女には七分通《しちぶどお》りの安心と、三分方《さんぶがた》の不安があった。その三分方の不安を、今日《きょう》の自分が、どのくらいの程度に減らしているかは、彼女にとって重大な問題であった。少くとも今日の彼女は、夫
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