そ》の上に乗っけているか、ちゃんと見分ける女なんだから、なかなか油断はできないよ」
叔父の笑談《じょうだん》はけっして彼の予期したような結果を生じなかった。お延は下を向いて眉《まゆ》と睫毛《まつげ》をいっしょに動かした。その睫毛の先には知らない間《ま》に涙がいっぱい溜《たま》った。勝手を違えた叔父の悪口《わるくち》もぱたりととまった。変な圧迫が一度に三人を抑えつけた。
「お延どうかしたのかい」
こう云った叔父は無言の空虚を充たすために、煙管《きせる》で灰吹《はいふき》を叩いた。叔母も何とかその場を取り繕《つく》ろわなければならなくなった。
「何だね小供らしい。このくらいな事で泣くものがありますか。いつもの笑談じゃないか」
叔母の小言《こごと》は、義理のある叔父の手前を兼た挨拶《あいさつ》とばかりは聞えなかった。二人の関係を知り抜いた彼女の立場を認める以上、どこから見ても公平なものであった。お延はそれをよく承知していた。けれども叔母の小言をもっともと思えば思うほど、彼女はなお泣きたくなった。彼女の唇《くちびる》が顫《ふる》えた。抑えきれない涙が後から後からと出た。それにつれて、今ま
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