》いてやった。
「駄目よ、あの子は、拳銃《ピストル》とか木剣《ぼっけん》とか、人殺しのできそうなものでなくっちゃ気に入らないんだから。そんな物こんな粋《いき》な所にあろうはずがないわ」
 売店の男は笑い出した。お延はそれを機《しお》に年下の女の手を取った。
「とにかく叔母さんに訊いてからになさいよ。――どうもお気の毒さま、じゃいずれまた後《のち》ほど」
 こう云ったなりさっさと歩き出した彼女は、気の毒そうにしている継子を、廊下の端《はじ》まで引張るようにして連れて来た。そこでとまった二人は、また一本の軒柱《のきばしら》を盾《たて》に立話をした。
「叔父さんはどうなすったの。今日はなぜいらっしゃらないの」
「来るのよ、今に」
 お延は意外に思った。四人でさえ窮屈なところへ、あの大きな男が割り込んで来るのはたしかに一事件《ひとじけん》であった。
「あの上叔父さんに来られちゃ、あたし見たいに薄っぺらなものは、圧《お》されてへしゃげちまうわ」
「百合子さんと入れ代るのよ」
「どうして」
「どうしてでもその方が都合が好いんでしょう。百合子さんはいてもいなくっても構わないんだから」
「そう。じゃも
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