りと浸《つか》った。
風呂から出て砂の中に立ちながら、河の上流を見渡すと、河がぐるりと緩《ゆる》く折れ曲っている。その向う側に五六本の大きな柳が見える。奥には村があるらしい。牛と馬が五六頭水を渉《わた》って来た。距離が遠いので小さく動いているが、色だけは判然《はっきり》分る。皆茶褐色をして柳の下に近づいて行く。牛追は牛よりもなお小さかった。すべてが世間で云う南画《なんが》と称するものに髣髴《ほうふつ》として面白かった。中にも高い柳が細い葉をことごとく枝に収めて、静まり返っているところは、全く支那めいていた。遠くから望んでも日本の柳とは趣《おもむき》が違うように思われた。水は柳の茂るところで見えなくなっているが、なおその先を辿《たど》って行くと、たちまち眼にぶつかるような大きな山脈がある。襞《ひだ》が鋭く刻まれているせいか、ある部分は雪が積ったほど白く映る。そのくらいに周囲はどす黒かった。漢語には崔嵬《さいかい》とか※[#「山+贊」、第4水準2−8−72]※[#「山+元」、第3水準1−47−69]《さんがん》とか云って、こう云う山を形容する言葉がたくさんあるが、日本には一つも見当らない
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