精神がその通りである。一人芝居の真最中でとんぼ返りを打って、たちまち我れに帰った。音はまだつづいている。落雷を、土中《どちゅう》に埋《うず》めて、自由の響きを束縛《そくばく》したように、渋《しぶ》って、焦《いら》って、陰《いん》に籠《こも》って、抑《おさ》えられて、岩にあたって、包まれて、激して、跳《は》ね返されて、出端《では》を失って、ごうと吼《ほ》えている。
「驚いちゃいけねえ」
と初さんが云った。そうして立ち上がった。自分も立ち上がった。三人の坑夫も立ち上がった。
「もう少しだ。やっちまうかな」
と、鑿《のみ》を取り上げた。初さんと自分は作事場《さくじば》を出る。ところへ煙《けむ》が来た。煙硝《えんしょう》の臭《におい》が、眼へも鼻へも口へも這入《はい》った。噎《む》せっぽくって苦しいから、後《うしろ》を向いたら、作事場ではかあん、かあんともう仕事を始めだした。
「なんですか」
と苦しい中で、初さんに聞いて見た。実はさっきの音が耳に応《こた》えた時、こりゃ坑内で大破裂が起ったに違ないから、逃げないと生命《いのち》が危ないとまで思い詰めたくらいだのに、初さんはますます深く這入る気色
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