ばと云う問題であった。気の毒がるだろうか、泣くだろうか、それともあさましいと云って愛想《あいそ》を尽かすだろうかと疑って見たが、これは難なく気の毒がって、泣くに違ないと結論してしまった。それで一目《ひとめ》くらいはこの姿を二人に見せたいような気がした。それから昨夜《ゆうべ》囲炉裏《いろり》の傍《そば》でさんざん馬鹿にされた事を思い出して、あの有様を二人に見せたらばと考えた。ところが今度は正反対で、二人共|傍《そば》にいてくれないで仕合せだと思った。もし見られたらと想像して眼前に、意気地《いくじ》のない、大いに苛《いじ》められている自分の風体《ふうてい》と、ハイカラの女を二人|描《えが》き出したら、はなはだ気恥ずかしくなって腋《わき》の下から汗が出そうになった。これで見ると、坑夫に堕落すると云う事実その物はさほど苦にならぬのみか、少しは得意の気味で、ただ坑夫になりたての幅《はば》の利《き》かないところだけを、女に見せたくなかった訳になる。自分の器量を下げるところは、誰にも隠したいが、ことに女には隠したい。女は自分を頼るほどの弱いものだから、頼られるだけに、自分は器量のある男だと云う証拠を
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