ー」に傍点]は知らん顔で石垣の所へ現れてくる。行列はまだ尽きないのかと、また背延《せいの》びをして見下《みおろ》した時、自分は再び慄とした。金盥《かなだらい》と金盥の間に、四角な早桶《はやおけ》が挟《はさ》まって、山道を宙に釣られて行く。上は白金巾《しろかなきん》で包んで、細い杉丸太を通した両端《りょうたん》を、水でも一荷《いっか》頼まれたように、容赦なく担《かつ》いでいる。その担いでいるものまでも、こっちから見ると、例の唄《うた》を陽気にうたってるように思われる。――自分はこの時始めてジャンボー[#「ジャンボー」に傍点]の意味を理解した。生涯《しょうがい》いかなる事があっても、けっして忘れられないほど痛切に理解した。ジャンボー[#「ジャンボー」に傍点]は葬式である。坑夫、シチュウ[#「シチュウ」に傍点]、掘子《ほりこ》、山市《やまいち》に限って執行される、また執行されなければならない一種の葬式である。御経の文句を浪花節《なにわぶし》に唄《うた》って、金盥の潰《つぶ》れるほどに音楽を入れて、一荷《いっか》の水と同じように棺桶《かんおけ》をぶらつかせて――最後に、半死半生の病人を、無理矢
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