るならやむを得ません。あなたはどうです来てくれますか」
「僕かね、是非行くよ。出来るなら媒酌人《ばいしゃくにん》たるの栄を得たいくらいのものだ。シャンパンの三々九度や春の宵。――なに仲人《なこうど》は鈴木の藤《とう》さんだって? なるほどそこいらだろうと思った。これは残念だが仕方がない。仲人が二人出来ても多過ぎるだろう、ただの人間としてまさに出席するよ」
「あなたはどうです」
「僕ですか、一竿風月《いっかんのふうげつ》閑生計《かんせいけい》、人釣《ひとはつりす》白蘋紅蓼間《はくひんこうりょうのかん》」
「何ですかそれは、唐詩選ですか」
「何だかわからんです」
「わからんですか、困りますな。寒月君は出てくれるでしょうね。今までの関係もあるから」
「きっと出る事にします、僕の作った曲を楽隊が奏するのを、きき落すのは残念ですからね」
「そうですとも。君はどうです東風君」
「そうですね。出て御両人《ごりょうにん》の前で新体詩を朗読したいです」
「そりゃ愉快だ。先生私は生れてから、こんな愉快な事はないです。だからもう一杯ビールを飲みます」と自分で買って来たビールを一人でぐいぐい飲んで真赤《まっか
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