黷熄ュ々怪しいようだ。第二に寒月はどうだ。朝から晩まで弁当持参で球《たま》ばかり磨いている。これも棒組《ぼうぐみ》だ。第三にと……迷亭? あれはふざけ廻るのを天職のように心得ている。全く陽性の気狂に相違ない。第四はと……金田の妻君。あの毒悪な根性《こんじょう》は全く常識をはずれている。純然たる気じるしに極《きま》ってる。第五は金田君の番だ。金田君には御目に懸った事はないが、まずあの細君を恭《うやうや》しくおっ立てて、琴瑟《きんしつ》調和しているところを見ると非凡の人間と見立てて差支《さしつか》えあるまい。非凡は気狂の異名《いみょう》であるから、まずこれも同類にしておいて構わない。それからと、――まだあるある。落雲館の諸君子だ、年齢から云うとまだ芽生えだが、躁狂《そうきょう》の点においては一世を空《むな》しゅうするに足る天晴《あっぱれ》な豪《ごう》のものである。こう数え立てて見ると大抵のものは同類のようである。案外心丈夫になって来た。ことによると社会はみんな気狂の寄り合かも知れない。気狂が集合して鎬《しのぎ》を削《けず》ってつかみ合い、いがみ合い、罵《ののし》り合い、奪い合って、その全体
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