てんじょう》まで吹く。窓掛の裏まで渡る。からりとして朗らかな書斎になる。
仏蘭西窓を右に避けて一脚の机を据《す》える。蒲鉾形《かまぼこなり》に引戸を卸《おろ》せば、上から錠《じょう》がかかる。明ければ、緑の羅紗《らしゃ》を張り詰めた真中を、斜めに低く手元へ削《けず》って、背を平らかに、書を開くべき便宜《たより》とする。下は左右を銀金具の抽出《ひきだし》に畳み卸してその四つ目が床に着く。床は樟《くす》の木の寄木《よせき》に仮漆《ヴァーニッシ》を掛けて、礼に叶《かな》わぬ靴の裏を、ともすれば危からしめんと、てらてらする。
そのほかに洋卓《テエブル》がある。チッペンデールとヌーヴォーを取り合せたような組み方に、思い切った今様《いまよう》を華奢《きゃしゃ》な昔に忍ばして、室《へや》の真中を占領している。周囲《まわり》に並ぶ四脚の椅子は無論|同式《どうしき》の構造《つくり》である。繻子《しゅす》の模様も対《つい》とは思うが、日除《ひよけ》の白蔽《しろおい》に、卸す腰も、凭《もた》れる背も、ただ心安しと気を楽に落ちつけるばかりで、目の保養にはならぬ。
書棚は壁に片寄せて、間《けん》の高さを九
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