来るのか、いわゆる昔風の率直から来るのか、いまだに解剖して見ようと企てた事はないがとにかく妙である。故意に自分を圧《お》しつけようとしている景色《けしき》が寸毫《すんごう》も先方に見えないのにこちらは何となく感じてくる。ただ会釈《えしゃく》もなく思うままを随意に振舞っている自然のなかから、どうだと云わぬばかりに圧迫が顔を出す。自分はなんだか気が引ける。あの男に対しては済まぬ裏面の義理もあるから、それが祟《たた》って、徳義が制裁を加えるとのみ思い通して来たがそればかりではけっしてない。例《たと》えば天を憚《はば》からず地を憚からぬ山の、無頓着《むとんじゃく》に聳《そび》えて、面白からぬと云わんよりは、美くしく思えぬ感じである。星から墜《お》つる露を、蕊《ずい》に受けて、可憐の弁《はなびら》を、折々は、風の音信《たより》と小川へ流す。自分はこんな景色でなければ楽しいとは思えぬ。要するに宗近と自分とは檜山《ひのきやま》と花圃《はなばたけ》の差《ちがい》で、本来から性《しょう》が合わぬから妙な感じがするに違ない。
 性《しょう》が合わぬ人を、合わねばそれまでと澄していた事もある。気の毒だと考え
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