いだもんですから」
「ホホホ」と突然藤尾は高く笑った。男はぎょっとする。その隙《すき》に
「そんなに忙《いそが》しいものが、何で四五日無届欠席をしたんです」と飛んで来た。
「いえ、四五日大変忙しくって、どうしても来られなかったんです」
「昼間も」と女は肩を後《うしろ》へ引く。長い髪が一筋ごとに活《い》きているように動く。
「ええ?」と変な顔をする。
「昼間もそんなに忙しいんですか」
「昼間って……」
「ホホホホまだ分らないんですか」と今度はまた庭まで響くほどに疳高《かんだか》く笑う。女は自由自在に笑う事が出来る。男は茫然《ぼうぜん》としている。
「小野さん、昼間もイルミネーションがありますか」と云って、両手をおとなしく膝の上に重ねた。燦《さん》たる金剛石《ダイヤモンド》がぎらりと痛く、小野さんの眼に飛び込んで来る。小野さんは竹箆《しっぺい》でぴしゃりと頬辺《ほおぺた》を叩《たた》かれた。同時に頭の底で見られた[#「見られた」に傍点]と云う音がする。
「あんまり、勉強なさるとかえって金時計が取れませんよ」と女は澄した顔で畳み掛ける。男の陣立は総崩《そうくずれ》となる。
「実は一週間前に京
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