と同じ事になる。
若い女と連れ立って路を行くは当世である。ただ歩くだけなら名誉になろうとも瑕疵《きず》とは云わせぬ。今宵限《こよいかぎり》の朧《おぼろ》だものと、即興にそそのかされて、他生《たしょう》の縁の袖《そで》と袂《たもと》を、今宵限り擦《す》り合せて、あとは知らぬ世の、黒い波のざわつく中に、西東首を埋《うず》めて、あかの他人と化けてしまう。それならば差支《さしつかえ》ない。進んでこうと話もする。残念な事には、小夜子と自分は、碁盤の上に、訳もなく併《なら》べられた二つの石の引っ付くような浅い関係ではない。こちらから逃げ延びた五年の永き年月《としつき》を、向《むこう》では離れじと、日《ひ》の間《ま》とも夜の間ともなく、繰り出す糸の、誠は赤き縁《えにし》の色に、細くともこれまで繋《つな》ぎ留《と》められた仲である。
ただの女と云い切れば済まぬ事もない。その代り、人も嫌い自分も好かぬ嘘《うそ》となる。嘘は河豚汁《ふぐじる》である。その場限りで祟《たたり》がなければこれほど旨《うま》いものはない。しかし中毒《あたっ》たが最後苦しい血も吐かねばならぬ。その上嘘は実《まこと》を手繰寄《た
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