は下げる頭の時間と正比例するものだ。いろいろな説がある。ただし大和尚は迷惑党である。
黒い頭は畳の上に、声だけは口から出て来る。
「御宅でも皆様御変りもなく……毎々|欽吾《きんご》や藤尾《ふじお》が出まして、御厄介《ごやっかい》にばかりなりまして……せんだってはまた結構なものをちょうだい致しまして、とうに御礼に上がらなければならないんでございますが、つい手前にかまけまして……」
頭はここでようやく上がる。阿父《おとっさん》はほっと気息《いき》をつく。
「いや、詰らんもので……到来物でね。アハハハハようやく暖《あった》かになって」と突然時候をつけて庭の方を見たが
「どうです御宅の桜は。今頃はちょうど盛《さかり》でしょう」で結んでしまった。
「本年は陽気のせいか、例年より少し早目で、四五日|前《ぜん》がちょうど観頃《みごろ》でございましたが、一昨日《いっさくじつ》の風で、だいぶ傷《いた》められまして、もう……」
「駄目ですか。あの桜は珍らしい。何とか云いましたね。え? 浅葱桜《あさぎざくら》。そうそう。あの色が珍らしい」
「少し青味を帯びて、何だか、こう、夕方などは凄《すご》いような心
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