はら》む。返事を控えたうちには、あらゆるものを犠牲に供するの決心がある。母は続ける。
「御前も今年で二十四じゃないか。二十四になって片付かないものが滅多《めった》にあるものかね。――それを、嫁にやろうかと相談すれば、御廃《およ》しなさい、阿母《おっか》さんの世話は藤尾にさせたいからと云うし、そんなら独立するだけの仕事でもするかと思えば、毎日部屋のなかへ閉《と》じ籠《こも》って寝転んでるしさ。――そうして他人《ひと》には財産を藤尾にやって自分は流浪《るろう》するつもりだなんて云うんだよ。さもこっちが邪魔にして追い出しにでもかかってるようで見っともないじゃないか」
「どこへ行って、そんな事を云ったんです」
「宗近《むねちか》の阿爺《おとっさん》の所へ行った時、そう云ったとさ」
「よっぽど男らしくない性質《たち》ですね。それより早く糸子《いとこ》さんでも貰《もら》ってしまったら好いでしょうに」
「全体貰う気があるのかね」
「兄さんの料簡《りょうけん》はとても分りませんわ。しかし糸子さんは兄さんの所へ来たがってるんですよ」
母は鳴る鉄瓶《てつびん》を卸《おろ》して、炭取を取り上げた。隙間《す
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