をうろついて歩《ある》くだらう。
代助は堀|端《ばた》へ出《で》た。此間《このあひだ》迄|向《むかふ》の土手にむら躑躅《つゝぢ》が、団団《だんだん》と紅|白《はく》の模様を青い中《なか》に印してゐたのが、丸で跡形《あとかた》もなくなつて、のべつに草が生《お》い茂つてゐる高い傾斜の上《うへ》に、大きな松《まつ》が何十本となく並んで、何処《どこ》迄もつゞいてゐる。空《そら》は奇麗に晴《は》れた。代助は電車《でんしや》に乗《の》つて、宅《うち》へ行つて、嫂《あによめ》に調戯《からか》つて、誠太郎と遊ばうと思つたが、急に厭《いや》になつて、此松《このまつ》を見《み》ながら、草臥《くたびれ》る所迄|堀端《ほりばた》を伝《つた》つて行く気になつた。
新見付《しんみつけ》へ来《く》ると、向《むかふ》から来《き》たり、此方《こつち》から行《い》つたりする電車が苦《く》になり出《だ》したので、堀《ほり》を横切《よこぎ》つて、招魂社の横《よこ》から番町へ出《で》た。そこをぐる/\回《まは》つて歩《ある》いてゐるうちに、かく目的なしに歩《ある》いてゐる事《こと》が、不意に馬鹿らしく思はれた。目的があつて
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