《なかなか》きびしいですね」
「本当なのよ。夫《それ》で差支《さしつかへ》ないんですよ。喧嘩も何《なに》も起《おこ》らないんだから。けれどもね、そんなに偉《えら》い貴方《あなた》が、何故《なぜ》私《わたし》なんぞから御金《おかね》を借《か》りる必要があるの。可笑《おか》しいぢやありませんか。いえ、揚足《あげあし》を取ると思ふと、腹《はら》が立つでせう。左様《そん》なんぢやありません。それ程|偉《えら》い貴方《あなた》でも、御金《おかね》がないと、私《わたし》見た様なものに頭《あたま》を下《さ》げなけりやならなくなる」
「だから先《さつ》きから頭《あたま》を下《さ》げてゐるんです」
「まだ本気で聞いてゐらつしやらないのね」
「是が私《わたし》の本気な所なんです」
「ぢや、それも貴方《あなた》の偉《えら》い所かも知れない。然し誰《だれ》も御金《おかね》を貸《か》し手《て》がなくつて、今の御友達を救《すく》つて上《あ》げる事が出来なかつたら、何《ど》うなさる。いくら偉《えら》くつても駄目ぢやありませんか。無能力な事は車屋《くるまや》と同《おん》なしですもの」
 代助は今迄|嫂《あによめ》が是
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