]。
六月一日[#「六月一日」に二重傍線] 晴。
四時にはほがらかに眼覚めた、私はたしかに不死身[#「不死身」に傍点]にちかいらしい、それは幸福でもあり不幸でもあるやうだ!
初夏の朝のすが/\しさよ、身も心ものび/\として、おのづからほゝゑましくなる。
街の鳩――飼主のない――が容姿には不似合な声で啼く。
午前中は互尊文庫で読書、探した本は見つからなかつたが。
昼飯は昨日も今日も蕎麦をいたゞいた、蕎麦はうまい、淡々として無限の味。
稲青君に案内されて悠久山へ。
夜は虹果居へ。
飲めるだけ飲んだが。……
六月二日[#「六月二日」に二重傍線] 曇、雨。
出立、銀汀、稲青の二君に長生橋まで送られて、さよなら、さよなら。
良寛和尚の遺蹟めぐり。
[#ここから2字下げ]
良寛墓、良寛堂。
あらなみをまへになじんでゐた仏。
(国上山中)
青葉分け行く
良寛さまも行かしたろ
[#ここで字下げ終わり]
出雲崎泊。
六月三日[#「六月三日」に二重傍線] 曇。
寺泊へ、それから国上山へ。
[#ここから3字下げ]
水は滝となつて落ちる荒波
[#ここで字下げ終わり]
弥彦神社。
バスで新
前へ
次へ
全80ページ中67ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
種田 山頭火 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング