師にお目にかゝる、北朗君も来てゐる。
句会、二十名ばかり集まつた、殆んどみな初対面の方々だ。
夜は層雲社に泊めて貰ふ、犬に吠えられた、歓迎してくれたのかも知れない。
武二君、五味君、北朗君と夜の更けるのも忘れて話しつゞけた。
四月六日[#「四月六日」に二重傍線] 花ぐもり。
朝酒二三杯。
北朗君、武二君と同道して銀座へ、磊々子、一石路夢道を訪ねる。
酒、酒、酒、花、花、花、そして女、女、女。
北朗は古道具屋をまはつて、いろんなものを買ふ、私が酒を飲むやうなものだろう。
四月七日[#「四月七日」に二重傍線] 花ぐもり。
浅草風景(新浅草観賞)。
定食八銭は安い、デンキブランはうまい、喜劇は面白い。
あてもなくぶら/\あるく。
四月八日[#「四月八日」に二重傍線] 曇、いつしか雨となつた。
やたらに歩いた、――浅草から上野へ、それから九段へ、それから丸の内へ。
砂吐流君徃訪、これは丸ビル。
農平君徃訪、これは海上ビル。
鳳車君徃訪、これは東京ビル。
農平君と、それから魔神明君と日本橋の大 [#「 」に「マヽ」の注記]で会食。
東京駅で砂吐流君を待ち受け、新宿聚楽で夕食をす
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