して貰ふ、澄太君、ありがたう/\。
街へ出かけて買物、もとより第一番に一杯ひつかける、七日ぶりの酒だが、それほどうまくない、ハテナ!
先日たうとう吐血したが(悪友達は胃潰瘍だらうとおどかしたが)、それでも酒はやめない(やめられもしないし、やめやうともしない)、句がやめられないと同様に(業《ゴウ》だ、業だよ)。
旅、旅、旅、何よりも旅がよい、旅が私を打開してくれる[#「旅が私を打開してくれる」に傍点]。
今日は近来にない賑やかな日だつた、先づ敬君来庵、それN[#「れN」に「マヽ」の注記]さん、それから暮羊君(新聞の掛取までも)、愉快に話し大いに笑つた。
夕方から雨になつて風も出て来たが、落ちついて読書する。
満腹々々[#「満腹々々」に傍点]、極楽々々[#「極楽々々」に傍点]。
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今日の買物――
弐十弐銭 酒二杯
[#ここで字下げ終わり]
┌三十五銭 白米一升
└十八銭 平麦一升
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弐十弐銭 煮干五十目
十銭 赤味噌百目
十銭 餅七ツ
二銭 沢庵漬一本
三十弐銭 なでしこ大包一個
壱円弐十銭 木炭一俵
八銭
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