女郎
┌○あしびきの山の雫に妹待つと吾立ち濡れぬ山の雫に 大津皇子
└○吾を待つと君が濡れけむあしびきの山の雫にならましものを 石川郎女
○健ら男や片恋せむと歎けども醜の健ら男なほ恋ひにけり 舎人皇子
○小竹《サヽ》の葉はみ山もさやにさやげどもわれは妹思ふ別れ来ぬれば 柿本人麿
[#ここで字下げ終わり]
二月八日[#「二月八日」に二重傍線] 曇、小雪。
いちめんのわすれ雪、思ひ出したやうに降る。
生活力[#「生活力」に傍点]のはかないのに自分ながら呆れる。
机上の梅がやうやく開かうとしてゐる。
[#ここから5字下げ]
讃酒歌 以白酒為賢者 以清酒為聖人[#「聖人」に傍点]
大伴旅人(万葉集)
[#ここから1字下げ]
しるしなき物を思はずは一|杯《ツキ》のにごれる酒を飲むべく有らし
賢こみて物いふよりは酒のみて酔泣するしまさりて有らし
言はむすべせむすべ知らに極まりて貴きものは酒にし有るらし
なかなかに人とあらずば酒壺になりてしがも酒にしみなむ
あなみにくさかしらをすと酒のまぬ人をよく見れば猿にかも似む
もだをりて賢し
前へ
次へ
全40ページ中24ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
種田 山頭火 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング