て行きませう。……

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    万葉集より
 ○かくばかり恋ひつつあらずば高山の磐根しまきて死なましものを   磐姫皇后
 ○吾はもや安見児得たり皆人の得がてにすとふ安見児得たり      藤原鎌足
 ○足引の山のしづくに妹まつと吾たちぬれぬ山のしづくに       大津皇子
 ○淡海の海夕波千鳥汝が鳴けばこころもしぬに古へおもほゆ      柿本人麿
・○家にあれば笥にもるいひを草枕旅にしあれば椎の葉にもる      有馬皇子

・○鴨山の磐根しまける吾をかも知らにと妹は待ちつつあらむ      柿本人麿
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(石見高角、美濃郡海岸)
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 ○憶良らは今はまからむ子泣くらむ其彼母も吾をまつらむ       山上憶良
 ○昔こそよそにも見しかわぎも子がおくつきと思へばはしき佐保山   大伴家持
 ○神風の伊勢の浜萩折りふせて旅寝やすらむあらき浜辺に       碁提磯妻
 ○わが背子は物な思ひそ事あらば火にも水にもわれなけなくに     安倍女郎
 ○千鳥なく佐保の河瀬のさざれ波やむ時もなし吾が恋ふらくは     大伴坂上
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