日。
残つた酒、残つた肴で、めでたしめでたし。
二月一日[#「二月一日」に二重傍線] 晴、曇、雪。
あゝたへがたし。――
八幡同人諸君の友情をしみ/″\感じる、そして、六日ぶりに床をあげて街へ、ついでに湯田へ、そしてたうとうS屋に泊つてしまつた。
二月二日[#「二月二日」に二重傍線] 雪。
雪がふるふる、雪はふつても、湯があり、飯があり、酒がある、ありがたいことである、もつたいないことである。
十時帰庵、身心安静。
近来にない楽しい一泊の旅であつた。
二月三日[#「二月三日」に二重傍線] 薄曇。
節分、宮市の天神様に詣りたいなあ。
餅を焼いて食べつゝ追憶にふけつた。
二月四日[#「二月四日」に二重傍線] 晴――曇――雨。
立春大吉。
米買ひに街へ出かけて、ついでに一杯。
私がアル中であることは間違はない。
生活必需品と嗜好品との間に微妙な味がある[#「生活必需品と嗜好品との間に微妙な味がある」に傍点]、酒、煙草、新聞、等々。
悲しいかな[#「悲しいかな」に傍点]、身心相食む[#「身心相食む」に傍点]。
夜は招かれて、宿直室に樹明君を訪ねる、食べて飲んで、しやべつ
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