もいつでもうつくしい[#「純なるものは何でもいつでもうつくしい」に傍点]!
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第六句集(幸にして刊行がめぐまれるならば)
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孤寒抄[#「孤寒抄」に傍点]の広告文案

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┌業やれ/\
└業だな/\
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 一月十六日[#「一月十六日」に二重傍線] 晴――曇。

霜晴れの青空がすぐまた雲で蔽はれてしまつた、冬曇りといへばそれまでだけれど、日和癖でもあらう。
来ない、来ない、来ない、待つてゐるのに、待ちあぐんでゐるのに、待ちきれなくなつてゐるのに、――それは何か!
ぼろぼろの褞袍を着て、焚火してゐると、我ながら佗住居らしく感じるが、他から観たら、山賊執[#「執」に「マヽ」の注記]居のていたらくだらう!
午後、樹明君が訪ねてくれた、つゞいてS君もやつて来た、二十日ぶりに快飲歓談した、折から庵中嚢中無一物なので、むろん、酒も魚も野菜も、炭も醤油までもが何もかもお客さんの負担である、うまかつた、うれしかつた、夕方めでたく解散、さよなら、ありがたう。
私はすぐ寝た、今夜は炬燵があるのでぬく/\と寝た、真夜中に眼が
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