、いつしよに寝る。……
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┌縦の関係――祖先――父母――遺伝、伝統
└横の関係――兄弟――夫婦、友人――社会性
┌短歌――外延的――迸出――詠嘆
└俳句――内包的――沈潜――
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 十二月廿日[#「十二月廿日」に二重傍線] 雪――曇――雨。

Y君と別れる、お茶をすゝつて(お茶しか食べるものがなかつた)。
うれしいたよりがあつた。
支那をおもふ、支那をおもへば、一度や二度の絶食は何でもない、炭火があるだけでも私にはありがたすぎる!
ポストまで出かける、うどんを食べる、うまい/\。
ぽろりと歯が抜けた(四本のうちの一本だ)。

 十二月廿一日[#「十二月廿一日」に二重傍線] 曇。

雪がちほ[#「ちほ」に「マヽ」の注記]らする中を郵便局へいそぐ、Kよ、ありがたう、涙ぐましくなつて、あてもなく歩く。
飯のうまさ、酒のうまさ、そして生きる苦しさ、考へる切なさ!
たうとう湯田温泉まで。――

 十二月廿二日[#「十二月廿二日」に二重傍線] 曇。

冬至、あゝまた朝酒! 身にしみる冬至だ!
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主観の客観化[#「主観の客観化」に傍
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