体と部分との緊密なる接触[#「全体と部分との緊密なる接触」に傍点]を考へる。
午後、湯田へ行き、温泉で、連日の垢と汗とを流した。
S屋に泊つて、ゆつくり休養した。
蕎麦がうまかつた、山口の山はうつくしい。
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陰部の両面的意義
排泄[#「排泄」に傍点]と交接[#「交接」に傍点]、そしてその快感[#「快感」に傍点]!
酔へばあさましく
酔はねばさびしく
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十二月十二日[#「十二月十二日」に二重傍線] 晴。
小春日、好い日であつた、朝帰庵。
つゝましく読書。
風邪をひいたとみえて(私も人並に!)、洟水がぽたり/\落ちて困つた、老を感じた。
今晩は何日ぶりかで、ランプをともすことが出来た。
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或る日の出来事――バスの中で
パン屑、インテリ女性
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十二月十三日[#「十二月十三日」に二重傍線] 好晴。
けさは少々朝寝、それだけよくねむれたわけ。
降霜、寒冷も本格的になつた。
霜晴れの太陽のまぶしさ、小鳥の声のうれしさ。
私の好きな藪椿がもう咲いては落ちだした。
夕方、ポストまで、ついで
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