てしまふ自分を悲しむ。
自律力[#「自律力」に傍点]のない自分を鞭打つ。
アルコールのない生活。
悔のない生活[#「悔のない生活」に傍点]。
自他を欺くなかれ。
自分に佞り他人に甘えるなかれ。
[#ここで字下げ終わり]
十一月廿日[#「十一月廿日」に二重傍線] 晴。
空も私もしぐれる。――
茶の実を採る、アメリカの友に贈るべく。
――私は躓いた、傷いた、そして、しかも、新らしい歩み[#「新らしい歩み」に傍点]を踏み出したのである(その歩みが溌剌颯爽たるものでないことはあたりまへだ)。――
読書、私には読書が何よりもうれしくよろしい、趣味としても、また教養としても、私は読書におちつかう[#「私は読書におちつかう」に傍点]。
信濃の松郎君から頂戴した蕎麦粉を掻いて味ふ、信濃の風物がほうふつとしてうかんでくる。
午後、ポストまで散歩、このごろの散歩は楽しい。
寝苦しかつた。
[#ここから1字下げ]
自問自答(一)
――自殺について――
死ねるか。
死ねる。
いつでも死ねるか。
いつでも。――
死にたいか。
死にたいといふよりも生きてゐたくないと思ふ。
どうして?
性格
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