身辺整理、掃除したり洗濯したり。
昼も夜も漫読する。
午後、夕立らしく降る、雷鳴はげしく、二句おとしていつた。
街の風呂にはいつて欝魂を洗ふ。
暑い、暑い。
夕御飯はシヨウユウライス!
ほんに、ほんに、ぐつすりと寝た、近頃めづらしい熟睡だつた。
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○魂の詩
○印象を離れないで印象を超えたるものの表現――暗示――象徴
[#ここで字下げ終わり]

 七月九日[#「七月九日」に二重傍線] 曇、雨をり/\。

澄み徹る寂しさ[#「澄み徹る寂しさ」に傍点]。――
其中一人、まつたく無言。

 七月十日[#「七月十日」に二重傍線] 曇、微雨。

鼠がやつてきたらしい、庵主自身食べるものは此頃は塩だけしか残つてゐないのに。……
塩を味ふ[#「塩を味ふ」に傍点]、飯そのものの味[#「飯そのものの味」に傍点]。
落ちついて読書。
北支那の形勢不穏、私は人知れず憂慮する。
桔梗がいちはやく一輪咲いた。
めづらしく裏山からホトトギスの声。
午後、ポストへ、ついでに入浴、ぢつとこらへてゐたがこらへきれなくなり、M店へまはつてちよいと一杯!
夜、Nさん来訪、くらがりで閑談しばらく。

 七
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