四日」に二重傍線] 曇つたり晴れたり。
曇ると梅雨はまだすまないと思ひ、晴れると梅雨はもうあがつたなと思ふ、――人間の気分のうごきは妙なものである。
閑寂[#「閑寂」に傍点]をしみ/″\味ふ。
菜園観賞。――
郵便が来ない、寂しいなあ。
ありつたけの米――三合ばかり――を炊く。
畑人よ、そんなに馬を叱るな。
山の方で鳶がしきりに鳴く、哀切な声だ。
一杯やりたいなと考へてゐるところへ、どうだらう、敬君来訪、いつしよに出かける、樹明不在、F屋で飲む、S君も仲間入、そこへまたどうだらう、樹明君加入、ビール、サイダー、酒、トマト、刺身、バナナ、ゲイシヤガール、アアソレナノニ、――それから、それから、それから、……十時頃ダツトサンで帰庵、敬君宿泊、ぐつすり睡れたが不快なものがあつた。
七月五日[#「七月五日」に二重傍線] 曇、時々雨。
二人とも朝飯なしでお茶をすする。
敬君は九時のバスで県庁へ、私は読書。
身心重苦しい、死なゝいから生きてゐる[#「死なゝいから生きてゐる」に傍点]、――といつたやうな存在。
飯がない、米がない、袋を持つて、学校に樹明君を訪ね、米を貰つてくる、これで当分は安
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