]がない、私は其角を好かない、去来を好く。
――みんないつしよに――草も木も虫も鳥も――朝の歌[#「朝の歌」に傍点]をうたはう。――
まことに好季節[#「好季節」に傍点]、私は夏を礼讃する、夏は貧乏人でも暮らしよい、年寄でも凌ぎよい。
――どうせ野ざらし[#「野ざらし」に傍点]の私であらうことは覚悟してゐる、せめて野の鳥や獣のやうに[#「野の鳥や獣のやうに」に傍点]死にたいものである。――
菜園に肥料を与へたり害虫を殺したりする、何かと考へさせられることが多い。
――私のやうな人間が、涼風に臥してのんびりしてゐることは、ほんたうに勿躰ない、省みて慎しまなければならない私[#「省みて慎しまなければならない私」に傍点]である。――
自堕落に身を持ちくづした私で、さういふ私だつたから、規律の尊さ[#「規律の尊さ」に傍点]が身にしみてきたのであらう。
午後はそゞろあるき、ポストを口実にしてM店まで出かけて一杯二杯、ほんにサケノミはいやしい。
凝心[#「凝心」に傍点]はよい、時には放心[#「放心」に傍点]もよい。
夢いろ/\、夢は覚えてゐてもすぐ忘れてしまふからうれしい。
七月四日[#「七月
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