ゝなかれ。
金銀にまよふなかれ。
米を、酒を、水を、魚を味へ。
物そのものの[#「物そのものの」に白三角傍点]味。――
[#ここで字下げ終わり]
七月二日[#「七月二日」に二重傍線] 晴――曇。
今朝は私も早く起きたが新聞の配達も早かつた。
落ちついて読書、其角、嵐雪鑑賞。
午後は裏山を逍遙する、心臓の弱さを痛感する。
小松二本、俳句二章を拾ふた。
すつかり夏日風景になつた。
岔水君から奥さんお手製の折紙を送つて来た、曰く鮹の道[#「道」に「マヽ」の注記]、曰くコン助、曰くピヱロ、これも庵中無聊を慰めてくれる。
夕方、Nさん来庵、閑談暫時、ほいなくそのまゝさよならをする。
[#ここから1字下げ]
句作の道は、生活の純化[#「生活の純化」に傍点]にある。
志すところは無我境逍遙[#「無我境逍遙」に傍点]である。
[#ここで字下げ終わり]
七月三日[#「七月三日」に二重傍線] 好晴。
眼が覚めるとすぐ起きた、火を焚きつけたり掃除したりしてゐるうちに明けてきた。
読書三昧。
其角の作はうまいとは思ふけれど、芭蕉の句のやうに身にせまり心をうつもの[#「身にせまり心をうつもの」に傍点
前へ
次へ
全110ページ中91ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
種田 山頭火 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング