日までとてもどこかで読まして貰つてゐたが)、新聞といふものはすでに私たちにとつては、生活の必需品となつてゐる、私は酒を飲むやうに新聞を読むのである。
読売[#「読売」に傍点]はなつかしい新聞だ、今日此頃の読売は新興の意気ハツラツとしてゐる。
終日読書、まことに日が永い、いや、私には夜さへも短かくはないのだ!
また夢を見た、――旧友S君に邂逅して愉快に談笑した、これも老情のあらはれだらうか。
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夢のない人生は寂しすぎる[#「夢のない人生は寂しすぎる」に傍点]!
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 七月一日[#「七月一日」に二重傍線] 曇――晴。

早起、沈静。
今年も半分過ぎ去つてしまつた。
菜園を眺めて、今更のやうに大地と太陽とのありがたさ[#「大地と太陽とのありがたさ」に傍点]を思ふ。
午後ポストへ、ついでに入浴、M屋で一杯、うれしいうれしい、暑い暑い。
大阪毎日新聞による、黒龍江畔風雲急らしい、どうぞ戦争にならないやうにと人民のために[#「人民のために」に傍点]祈る。
私は不死身[#「不死身」に傍点]に近い肉体の持主だが、病的健康[#「病的健康」に傍点]とでもいふの
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