――堪へきれないから飲みまはる、飲みまはるからいよ/\ます/\堪へきれなくなる――かういふ愚かな弱さはいのちがけで、からうじて揚棄したことである。
朝、ポストへ、途中、一杯やりたかつたがぐつとこらへた、こらへるより外なかつたからでもあるが。
正午のサイレンが鳴つて、樹明君来訪、つゞいて暮羊君も――、そして始まらなければならない酒が始まりました! 極楽々々[#「極楽々々」に傍点]。
今日も鷹が裏山でしきりに啼く。
暮羊君から、古い夏帽子を頂戴した、感謝々々。
夜、K店でバス代宿銭を借りて湯田へ。
S屋に泊る、隣室で犬も喰はない夫婦喧嘩がうるさかつた、私は酔うて熟睡。
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句作雑感[#「句作雑感」に傍点]
  ――実作者の言葉
[#ここで字下げ終わり]

 六月十四日[#「六月十四日」に二重傍線] 曇。

のんびりとして朝湯、そして朝酒。
バスで、九時頃帰庵、やつぱり庵がよろしいな。
私は湯が好き、温泉浴を何よりも好いてゐる、うれしい時かなしい時、さびしい時、腹が立つた時、むしやくしやする時、私は温泉へはいる、――私がしば/\湯田へ行くゆゑんである。

 六月十五日[
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