たならば、一生、食物のうまさを知らなかつたらうし、また、飲んだくれて早死してしまつたらうから。……
貧楽[#「貧楽」に白三角傍点]である。
※[#二重三角、101−6]私の生活態度を食物の場合で説明すると、――いふところのうまい食物[#「うまい食物」に傍点]でも食べる人間が健全[#「健全」に傍点]でなければ、うまいと味ふことは出来ない、それと同様に、いはゆるまづい物[#「まづい物」に傍点]、いや、うまくない食物[#「うまくない食物」に傍点]でも身心が調うてゐれば[#「身心が調うてゐれば」に傍点]、おいしく、ありがたく味ふことが出来る、――それが人生の味[#「人生の味」に傍点]だ。
与ふれば与へらる[#「与ふれば与へらる」に傍点]、捨てると拾はせられる。
すること[#「すること」に傍点]はさすこと[#「さすこと」に傍点]となつてかへつてくる。
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――行乞僧の言葉  ┌なる
          └する
[#ここで字下げ終わり]

 六月十三日[#「六月十三日」に二重傍線] 晴――曇。

旧端午、日曜、日々好日だけれど、今日は好日中の好日だ、誰かお団子をくれないかな。
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