はなつかしい読物だつた、著者と膝を交へて語るやうな親しさを味つた、フインランドの旅、アイルランドの旅が殊によいと思ふ。
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澄めば濁り、濁ればまた澄む。
明暗の境
澄みきれ[#「澄みきれ」に傍点]
合掌[#「合掌」に白三角傍点]――無我[#「無我」に白三角傍点]
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五月廿六日[#「五月廿六日」に二重傍線] 曇。
いつものやうにきちんとKから送金、ありがたいぞ。
買物いろ/\、払へるだけ払ひ、買へるだけ買ふ。
また湯田へ。――
五月廿七日[#「五月廿七日」に二重傍線] 曇。
滞在。
酔うてゐる、落ちついてゐる。……
五月廿八日[#「五月廿八日」に二重傍線] 曇。
今日も歩いて帰庵。
五月廿九日[#「五月廿九日」に二重傍線] 晴。
Nさん来訪、しばらく話してから、いつしよに米屋まで出かける、M店でちよいと一杯ひつかけました。
身心沈静、落ちついて読む。
投げだせ、投げだせ、投げだすより外に私の助かるみちはない。
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□枯淡な句と幼稚な句とは一見して同一なものゝやうに思はれる、その距離
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