ハガキ五枚
一金五銭   切手十枚

┌いとなみ――労働┐
│        ├たのしいはたらき[#「たのしいはたらき」に傍点]
└たはむれ――遊戯┘
[#ここで字下げ終わり]

 四月二日[#「四月二日」に二重傍線] 曇。

花ぐもりだらう、花のいぶきを感じる。
沈欝たへがたし、それを堪へるのが私の人生である。
どうやらかうやら、ぼうぜんたる気分からゆうぜんたる気分へ転換しつゝある。
天地人の春[#「天地人の春」に傍点]であれ。
掃除――洗濯――裁縫――なか/\忙しい。
やうやく句が出来るやうになつた、おちついて澄んできたのである、とにかくうれしい。
旅の樹明を思ひつゝ来庵を待つたが駄目だつた。
風、風、風、午後はいやな、さびしい風が吹いた。
夜中夢中で絶え入るほど咳きこんで困つた。
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□一年は短かいやうだけれど、一生はずゐぶん長いやうに思ふ。
□俳句は(短歌も同様に)ひつきよう心境詩[#「心境詩」に傍点]ではあるまいか。
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 四月三日[#「四月三日」に二重傍線] 晴。

神武天皇祭、日本的!
うらゝかな旗日。

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