起沈静、よろしい/\。
春寒、春も[#「も」に傍点]寒いね!
人事に囚はるゝなかれ。
昼寝はよろしい、夢はよろしくない。
花見のどよめきがきこえる、――あゝそれなのに、それなのに。――
Kへ手紙を書く。
――こけつまろびつ――とろ/\どろ/\――何が何やら。――
酒乱、醜態、あゝあゝ、……恥を知れ、恥を、……死んでしまひたい、……馬鹿、阿呆。
……………………
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かへりみて[#「かへりみて」に白三角傍点]、死あるのみ[#「死あるのみ」に白三角傍点]。
醜い生存[#「醜い生存」に白三角傍点]。
死ぬるまでは繰り返されるでもあらう悪行。
愚劣、醜悪、愚劣、醜悪。
死にたくても死ねない矛盾[#「死にたくても死ねない矛盾」に白三角傍点]。
矛盾に矛盾をかさねてゐる毎日毎夜。
[#ここで字下げ終わり]
四月四日[#「四月四日」に二重傍線] 晴曇不明!
昨夜の延長、宿酔ふら/\、湯田へ。
[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
『健からの手紙、緑平老からの手紙、それを読んで恥ぢないならば、泣かないならば、ほんぜんとして本心に立ちかへらないならば、私は山頭火ではない
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