日ぶりに燈火を与へられた。
いつもケチ/\して、或はクヨ/\して、そして時々クラ/\して、――何といふみすぼらしい生活だらう、ひとり省みては自から罵るばかりだ。
いうぜんとして、山を観よ、雲を観よ、水を観よ、草を観よ、石を観よ。……
二月十九日[#「二月十九日」に二重傍線] 晴れたり曇つたり。
身辺整理。
なづなが咲いてゐる、蕪も大根も咲かうとしてゐる。
Nさん来庵、水など汲んでもらふ、すみません。
風が出て来た、風はさみしい、何よりさみしい、いつもさみしい、やりきれない。
うつ/\として一日が過ぎる。
二月廿日[#「二月廿日」に二重傍線] 晴、そして曇。
春寒、氷が薄く張つて小鳥が囀づる。
食べる物がなくなつたので梅茶ですます、それもよからう、とかく飲みすぎ食べすぎる胃腸を浄めるためにも、また、貪りたがる心をしづめるためにも。
それにしても食慾の正確さは! 胃袋の正直さは!
出かけて米を借りて戻る(樹明君に泣きつかないのは私の良心の名残だ)、すぐ炊いて食べる。
ほろよひ人生か、へゞれけ人生か、――私は時々泥酔しないと生きてゐられない人間だ!
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