話す、笑ふ。……
雪、酒、そして飯がありました、ありがたう。

 二月十五日[#「二月十五日」に二重傍線] 雪、時々晴。

満目白皚々。
朝、妙な男が訪ねて来た、嫌な男だつた、悪い男とは思はないけれど。
昨日も今日も郵便は来ない。

 二月十六日[#「二月十六日」に二重傍線] 曇――晴。

倦怠、たゞ寒く、たゞ懶し。

 二月十七日[#「二月十七日」に二重傍線] 曇。

沈欝たへがたし。
私は虚病の虚病[#「虚病の虚病」に傍点]を病んでゐる。
今日も嫌な朝鮮人が来た。
燈火をなくして第三夜だ、暗黒裡の妄想!
七日の月があることはあつた。

 二月十八日[#「二月十八日」に二重傍線] 晴――曇。

春寒、めつきり春めいて来た。
身心やゝ落ちついて、めづらしくも朝寝。
碧梧桐氏逝去を今日知つた(新聞を見ないから)、哀悼にたへない、氏は俳人中もつとも芸術家肌であつたやうに思ふ、一事を続けてやれなかつたのも、弟子とはなれがちだつたのもそのためだ、未完成[#「未完成」に傍点]――惜しいけれど詮方のない、――永久の未完成[#「永久の未完成」に傍点]といつたやうな性格だつた。
七日ぶり外出、そして四
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