く学校の畜舎部屋へ出かける、Iさん、Jさん、そして樹明君が車座になつて酒宴が開かれてゐる、私もその中へとびこむ、うまいうまい、ありがたい、ありがたい、酔ふた酔ふた、……それから街へ、……F屋へ、Sへ、Mへ、たうとうKへ……ぼろ/\どろ/\……何が何やらわからなくなつた、……それでも跣足で戻つて、ちやんと自分の寝床に寝てゐた、命をおとさなかつたのは不思議々々々。
泥酔のよろしさ、こんとんとしてぼう/\ばく/\、だが少々梯子を登りすぎましたね!
[#ここから1字下げ、折り返して2字下げ]
□おでんのやうな句[#「おでんのやうな句」に傍点]、そしてやつこ豆腐のやうな、或はビフテキのやうな句。
□冬ごもりの幸福――火燵、本、食物、そして煙草も酒も――それから――それ以上あると不幸になる!
□人生は割り切れないだらうが、割り切れるやうな場合もないではない、深い体験で算盤玉を弾く時。
□芸術的真実は生活的事実から生れる[#「芸術的真実は生活的事実から生れる」に傍点]。
 事実にごまかされては真実はつかめない。
□現実にもぐりこんで、もぐりぬけたとき、現実をうたふことが出来る。
□雑音にも雑音として
前へ 次へ
全110ページ中24ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
種田 山頭火 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング