こまで延びた、いつものS屋に泊つた。
そこで、不愉快な事件にぶつかつた、私は酔うてゐたけれど、ぐつとこらへた、人間はあさましいものだと思つた、彼も私も誰も。

 七月廿六日[#「七月廿六日」に二重傍線] 雨――曇。

酒でごまかして一日をすごした。
酔うて戻つた。……

 七月廿七日[#「七月廿七日」に二重傍線] 降つたり、曇つたり。

身心不調、身動きも出来ないほど疲労してゐる。

 七月廿八日[#「七月廿八日」に二重傍線] 雨――曇。

すべて隠遁的[#「隠遁的」に白三角傍点]に。――
孤独と沈黙との生活にかへれ[#「孤独と沈黙との生活にかへれ」に傍点]。

 七月廿九日[#「七月廿九日」に二重傍線] 曇。

沈欝たへがたし。
四日ぶりに出かける、そしてW屋で一杯ひつかける。
北支の風雲がたうとう爆発した、悲痛であるが、詮方のない事実である。
現実的現実に直面せよ[#「現実的現実に直面せよ」に傍点]。

 七月三十日[#「七月三十日」に二重傍線] 雨。

毎日毎夜、万歳々々の声がきこえる、出征将士を見送る声である、その声が私の身心にしみとほる。
夕方、あまりさびしいので、暮羊君を訪
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