うたである、かつこうが好きなやうに。
夕飯を食べたところへ谷川君来庵、お土産として酒魚ありがたし。
酔はない私は酔へる彼を見送ることが出来た、彼を通して、私は私の片影[#「私の片影」に傍点]を観た!
しばらく滞在してゐた鼠も愛想を尽かして去つたらしい。
晴れて良い月夜になつた。
七月廿一日[#「七月廿一日」に二重傍線] 晴。
正法眼蔵拝読。
胃のぐあいが何となくよろしくない、やつぱり飲みすぎだつた。
今日はかなり暑かつた、いよ/\本格的な夏だ。
午後、樹明君来庵、つゞいて暮羊君も、――酒すこし、トマトがうまかつた、雑談してめでたく解散、あつぱれ/\!
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逍遙遊[#「逍遙遊」に白三角傍点]
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七月廿二日[#「七月廿二日」に二重傍線] 晴。
熟睡の朝のよろしさ、夏のよろしさ。
柿の葉後記を書きあげて澄太君に送る、これで当面の要件が一つ片づいた、まだ二つ残つてゐる、――屋根修繕と揮毫。
蚊にも蜘蛛にも困るが、蟻にも困る、蠅には困らない、ほとんどゐないから、ことしは油虫が少ないので助かつてゐる。
ちよつとポストまで、汗びつしよりになつた
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