うれしさ。
飯、飯、飯、酒、酒、酒だつた!
宵から快眠したので、夜中に眼をさまして句作、気に入つた句が作れた。
句、句、句でもあつた(前の文句に対して)。
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今日の買物
(なか/\大きい)
一金四十五銭 ハガキ
一金六十銭 酒
一金壱円弐十銭 木炭
一金三十弐銭 なでしこ
一金六銭 蝋燭
一金六拾弐銭 米
一金十銭 うどん
一金六銭 鰯
一金九銭 味噌
一金拾五銭 ゴマメ
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一月廿八日[#「一月廿八日」に二重傍線] 雨。
きのふけふ冬もいよ/\本格的になつたやうだ。
老の鼻水!
午後、街へ、油買ひに麦買ひに、そして一杯やつた、幸福々々。
新聞を見ると、政局不安は何う結着するか誰にも解らないらしい。
日本は何うなるか[#「日本は何うなるか」に傍点]――何うすればよいか――誰もが考へて、そして誰もが苦しんでゐる問題である。
よく食べてよく寝た。
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□現実逃避[#「現実逃避」に傍点]ではない、現実超越[#「現実超越」に傍点
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