□ホントウのナンセンス文学[#「ホントウのナンセンス文学」に傍点]
こしらへたナンセンスではない。
おのづからうまれたナンセンス。
□あふれてわくもの[#「あふれてわくもの」に傍点]。
□魔術[#「魔術」に傍点]はよろしい。
手品[#「手品」に傍点]はよろしくない。
□草の実の執着。
熟柿の甘味。
太陽の光と熱。
[#ここで字下げ終わり]
十一月廿一日[#「十一月廿一日」に二重傍線] 曇。
いよ/\冬が来た。――
起きてすぐ帰庵、敬君は下関へ出張。
午後、ポストまで、ついでに買物、海老雑魚十二銭、貰ひ水、独り者らしい、貧乏らしい、それがかへつて私の生活にはふさはしからう。
あるだけの米を炊ぐ、これも私にはふさはしからう。
やつぱり飲みすぎ食べすぎだつた、不死身の私も何となく胸苦しい。
暮れて敬君再び来庵、F屋まで出かけて少し飲んで多く食べる、戻つて来てからお茶を飲み菓子を食べ、そして仲よく寝る。
火燵があたゝかく、ぐつすり睡つた。
今日初めて火燵を出したが、火燵といふものはなつかしくうれしいものだ。
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┌しづかな朝飯。
└さびしい夕餉。
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