「菊花節」に傍点]、むしろ日本節[#「日本節」に傍点]とよぶべきだらう。
今朝はずゐぶん寒かつた、触れる物が冷たかつた、澄んで明るい日[#「澄んで明るい日」に傍点]だつた。
揮毫、木郎君に送る、龍眼肉少々Sさんへお裾分する、先日のお詑とお礼とを申上げる。
うまい昼飯だつた、たとへそれがシヨウユウライスであつても、感謝々々。
午後、Nさん来庵、文藝春秋と婦人公論とを持つて来て貸して下さつた、感謝々々、いつしよに郵便局へ行き油屋へ行き、それからまたいつしよに帰庵して、龍眼肉を咬みお茶を飲んで話した。
途上で聖護院大根一本を拾ふ、いびつだから捨てゝあつたのである、その一本が今晩の私のお菜として余りあるものであつた、感謝々々。
しづかだな、さびしいな、と時々思ふことである。
今夜はうれしい、石油があつて、読物があつて。
夜が更けて、腹が空つたので、夜食を食べる、ゼイタクだな、とも思うたことである。
曇、こんどは降りさうだ、降つてもよい頃だ。
[#ここから4字下げ]
婦人公論十一月号所載
父と娘との記事[#「父と娘との記事」に傍点]を読みて
[#ここで字下げ終わり]
十一月四日[#「十一月
前へ
次へ
全138ページ中84ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
種田 山頭火 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング