昧」に傍点]。
台湾の田中君からありがたい手紙とたくさんな龍眼肉、うれしかつた。
午後、樹明君来庵、例の揮毫料で飲むことにする、私は酒買ひに、君は魚こしらへ。
暮れてから、さよなら/\、よかつた/\。
夜は寝苦しかつた、ちよつとまどろんだゞけだつた。
[#ここから1字下げ]
朝寝もよからう、昼寝もわるくなからう、夜更かしもかまはない。
飲んでもよからう、酔うてもよからう、無理さへなければ[#「無理さへなければ」に傍点]。――
水のながれるやうに、おのづからなる生き方[#「おのづからなる生き方」に傍点]、そして、すなほな心がまへ[#「すなほな心がまへ」に傍点]。
[#ここで字下げ終わり]

 十一月二日[#「十一月二日」に二重傍線] 晴、時雨。

おちついて身のまはりをかたづける。
櫨紅葉を活ける、めざましいうつくしさ。
無理をするな[#「無理をするな」に傍点]、あせるな[#「あせるな」に傍点]、いら/\するな[#「いら/\するな」に傍点]、なるやうになれ[#「なるやうになれ」に傍点]、ばた/\するな[#「ばた/\するな」に傍点]、流れるまゝに流れてゆけ[#「流れるまゝに流れてゆけ」に傍
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