たよりいろ/\うれしかつた、Nさんからハガキを頂戴した、少女のたよりは私をまじめにしてくれる。
どうかして酒から茶へ転向[#「酒から茶へ転向」に傍点]したい。
私は飲む、浴びるほど酒を呷る、それはひつきよう空虚の苦杯[#「空虚の苦杯」に傍点]なのだ。
……私は泣いた、ひとり泣いた、何故の涙であるか、私自身にも解らない、私は私自身を笑つてやる、私のオイボレセンチを笑つてくれ、笑つてくれ。
その日のその日[#「その日のその日」に傍点]がやつて来た。……
終日終夜謹慎。
夜ふけて雨、意識が水のやう。
酒が飲みたくなくなり[#「酒が飲みたくなくなり」に傍点]、飲めなくなるやうな気がする[#「飲めなくなるやうな気がする」に傍点]、それがウソかホントウかは時日が解いてくれるだらう。
何事も自然のまゝに[#「何事も自然のまゝに」に傍点]、自然そのものであれ[#「自然そのものであれ」に傍点]。
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□石の自然[#「石の自然」に傍点]を愛す。
□茶の清寂[#「茶の清寂」に傍点]を愛す。
□A rolling Stone
□自然と自己、入我特[#「特」に「マヽ」の注記]入。
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